夫の転勤帯同に伴う行政手続きには注意が必要です。
結婚で氏名変更や住所変更の手続きを鬼のようにこなしたら、今度は転勤…。
私はもともとこういった行政手続きが大の苦手なので、経験談も含めながらわかりやすくご紹介します。
スムーズな手続きの流れ
①市役所へ
(必須)住民票を移す
(必要あれば)マイナンバーカードの住所変更、国民健康保険の加入
②警察署or免許センターへ
(必要あれば)免許証の住所変更
※マイナンバーカードを持っていれば優先度を下げてもOK
~扶養に入るか・失業保険を受給するか検討する~
③ハローワークへ
(必要あれば)失業保険の手続き
④市役所へ
(必要あれば)国民健康保険料免除の手続き
まずは住民票を移そう!
まずは言うまでもないかもしれませんが、住民票を移すのが第一です。
その際、住民票を何枚かもらっておくと、この後の手続きがぐんと楽になります!
※マイナンバーカードがない場合は、マイナンバー入りの住民票ももらっておくと良いかもしれません。
その後、各種証明書の住所も変更しましょう。免許証・マイナンバーカードは「写真付き証明書」として大変役に立つので、最優先で住所変更しておくのがおすすめです。
ちなみに免許証は警察署、マイナンバーカードは市や区の役所で変更可能です。
夫の扶養に入る?失業保険をもらう?
退職後の健康保険については、3つの選択肢があります。
日本は国民皆保険制度を取っているので、無保険状態でいるのは制度上不可能。いずれかの選択肢を取ることになります。
①夫の扶養に入る(=保険料を支払う必要なし)
②国民健康保険に入る(=保険料を支払う必要あり)
③前職の健康保険を任意継続する
結論から言うと、転勤に伴う退職の場合は、国民健康保険と失業保険に関して、通常の自己都合退職の方よりもメリットを受けることができます。私も実際に②を選択し、失業手当を申請しました。
①の場合は保険料が一切かかりませんが、このあとご紹介する失業保険を受給する場合、基本手当日額が3,612円以上だと、受給期間中は扶養に入ることはできません。
①を選択しない場合は、②または③になりますが、③の場合は退職前に申請する必要があるため、退職後に検討することはないでしょう。
つまり、失業保険を受給して保険料を払うか、夫の扶養に入るかを選択する必要があります。
決断は早めに!
なお、国民保険に入るか否かは、退職して前職の保険資格を失ってから(=退職してから)14日以内に行うことになっていますが、私の経験上、人事の手続き等の兼ね合いで間に合うことは少ないと思います。
遅れても特にお咎めはありませんが、その間病院にかかると治療費を一旦10割負担することになってしまうので、早めにどちらにするか決めて手続きを進めましょう。
失業保険:「特定理由離職者」になれるかも
では、その運命の分かれ道となる失業保険についてみていきましょう。
夫の転勤に伴い転居し、退職した場合は「特定理由離職者」に認定される可能性があります。
「特定理由離職者」は、特定の理由がある自己都合退職者のことで、認定される要件はいくつかあるのですが、転勤に伴う退職の場合は下記の要件に当てはまる可能性があります。
(5) 次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した者のうち、(a) 結婚に伴う住所の変更 もしくは (g) 配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避
「特定理由離職者」に認定されると…
- 退職日以前の1年間に雇用保険に加入していた月が通算して6カ月以上あれば失業保険が受給可能に。
- 「給付制限期間」なく、待期期間7日が経過したらすぐに受給できる。
※通常の自己都合退職の場合は、通算12か月以上雇用保険に加入している必要があります。
※2020年9月30日までに離職した場合は3ヶ月、2020年10月1日以降に離職した場合は5年間のうち2回までは2ヶ月の給付制限が適用されます。
失業保険の手続きについては、こちらの記事も参考にしてください。
→失業保険の手続き – 働く転勤妻 (tenkin-saki.com)
失業保険:手続きに必要なもの
- 雇用保険被保険者証 (会社から)
- 雇用保険被保険者離職票 (会社からもらえます)
- 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票など)
- 本人確認書類(写真付き1種類 または 写真なしの保険証等のうち2種類)
- 写真2枚(最近の写真、正面上三分身、縦3.0cm×横2.4cm)
- 印鑑
- 本人名義の預金通帳又はキャッシュカード
※身分証明書については、マイナンバーカードや運転免許証であれば1種類でOKです。
「特定理由離職者」に当てはまる可能性がある場合は、必ず担当者にその旨を伝えましょう。
「特定理由離職者」の手続きには、上記に加えて夫の会社の辞令と住民票が必要になります。
国民健康保険料も減額される!
先に述べたように失業保険の基本手当日額が3,612円以上の場合は、受給している間は夫の扶養に入ることができませんので、国民健康保険に加入することになります。
しかし、「特定理由離職者」となると国民健康保険の保険料も一部免除されます。
通常、保険料は前年の所得をもとに計算されるのですが、「特定理由離職者」の場合は離職日の翌日を含む月から翌年度3月分までの期間、前年の所得が30/100とみなされて保険料が決まります。
手続きには、ハローワークでもらう雇用保険受給資格者証が必要となりますので、ハローワークでの手続きが完了したら役所に行きましょう。
「特定理由離職者」であれば失業保険をもらってもいいかも
夫の扶養に入るか失業保険を受給するか、どちらがお得になるかは前年の年収にもよりますが、転勤妻には意外と知られていないメリットがあるので、これらも検討した上で選択をしてみてはいかがでしょうか。
もし「特定理由離職者」に当てはまらない場合は、手続きに手間がかかってしまいますが、受給制限期間だけ夫の扶養に入ることもできます。
ご不明点があればお尋ねくださいね。
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